blog

▼もっと見る

4周年を迎えてマリです

2023.05.03

カテゴリ：おしらせ

＿

4月のある日。
いつもに増して楽しそうな会話が、脱毛施術中のお部屋から聞こえてきました。
大好きなものに関わる嬉しい出来事があったというのが、そのお客様の楽しそうな理由。
途中で施術に加わった私に、大興奮で教えて下さいました。

大江山
いく野の道の遠ければ
まだふみも見ず天の橋立

そう、
百人一首の札のお話をされていたのです。

百人一首のイベントに参加された際、大好きな札である〈おおえ〉（上記の和歌の札を指します）が関係した、最高の出来事が起きたそう。
その熱冷めやらぬうちの当店へのご来店だったようです。

「あの時代に、すごくかっこいい女性だと思いませんか？！」「推し札なんです！」
と、〈おおえ〉の和歌の作者である小式部内侍と札への想いをキラキラと語るその姿（脱毛中）に、なんだか目頭が熱くなりました。（施術中）

実は私にも、彼女と同じ高校生の頃に好きになった和歌があり、原文の変体仮名をつらつら書く練習なんかもしたものです。お察しの通り、そんなことが好きなスーパー文化系の私には少数精鋭の友人が居るだけでしたし、そして特に理由はありませんが、その友人達に好きな和歌などの話をすることもありませんでした。
私にとっては御守りのような歌で、何かの折に、書いたり口ずさんだりするのです。

20年以上の時空を超えて、高3の私が好きな歌を彼女に伝えます。

「私は恋しちょうが好きでね」
「恋しちょう！あれも良いかも〜」

くー！

どうですか。
泣けませんか。
なんのこっちゃですね。

閑話休題

＿　＿

みなさんにも、ご自身の心の琴線に触れるもの、香り、景色や記憶がおありのことと思います。
高校生の彼女が私の歳になるまでに20年以上はありますが、〈おおえ〉や、ご自身の好きなものを大切にして毎日過ごされるのでしょう。

受験勉強頑張ってね！

＿　＿　＿

好きなものを大切にしていたら（ ≒ 嫌なものに注意していたら）いつの間にか小さく独立、細々と10年が経とうとしています。ありがたいことです。

私にとっては好きな文学も、技術をご提供することも、空間づくりも、サロン運営も、根底は同じ。
なんだか良いものが静かに流れていて、好奇心がくすぐられるのです。

前述の〈おおえ〉施術タイムは、そんな事を改めて感じることとなった私の幸せなひとときでした。